大学や研究所、各産業界に対し、化学工業薬品を販売する商社として顧客満足を追求する中、「ルミシス」のインキの開発から様々な可能性を具現化するビジネスモデルを創造しているのが、メディア開発室のメディア・イノベータ事業です。新しい有機発光体開発に成功した新発明の希土類錯体「ルミシス」を開発したのは、北海道大学の長谷川靖哉教授の研究チームです。 この発光体は、紫外線を吸収すると赤色に光る「ユーロピウム」というレアアースの一種に特殊な有機分子を加えたもので、光を放つ効率が極めて高い構造になっています。
紫外線(UV)は、ブラックライトでは次の通りです。
・UV-LED:ピーク波長375nmをお選びください。
・ブラックライト蛍光灯:約320~380nmまでの波長をお選びください。
そして、セントラルテクノにおいて製品化、青と緑を追加し、RGBのインキ開発及び派生製品の販売を具現化しました。
高耐久の光に対する堅牢度については、ルミシスから生まれたサンルミシスSP発光インキの耐候性試験では、東洋インキでJIS規格の耐候性と耐光性の試験を行いました。プラスチック板に10ミクロン塗付したルミシスに下記の二つについて100時間連続照射後、発光の持続を確認しました。
1.ウエザーメーター(車のライトの40倍のキセノンを太陽光として連続照射して、1時間のうち、12分は28度の水をかけ、48分は+湿度90%)=耐候性
2.カーボンアークフェードメーター(紫外線連続照射)=耐光性
ルミシス発明者:北海道大学 長谷川 靖哉(ハセガワ ヤスチカ)教授の略歴&受賞歴
- 1992.03 静岡大学工学部 材料精密化学科 卒業
- 1994.03 静岡大学大学院工学研究科 材料精密化学専攻 修了
- 1997.03 大阪大学大学院工学研究科 プロセス工学専攻 修了 博士(工学)
- 1994.04 - 1999.11 新日本理化株式会社 研究開発本部 研究員
- 1999.11 - 2005.03 大阪大学大学院工学研究科 物質・生命工学専攻 助手および学内講師
- 2005.04 - 2010.03 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 准教授
- 2010.04 - 現在 北海道大学大学院工学研究院 物質化学部門 教授
- 2004.05 日本希土類学会奨励賞
- 2006.09 光化学協会奨励賞
- 2010.03 NAIST学術賞
強発光実現の秘密は、光りエネルギーを効率よく吸収し、発光の中心となる希土類イオンエネルギーを無駄なく活かせる有機分子の錯体構造にあります。
例えば、図の緑色発光体でも、380~400nmの発光スペクトルは驚くべき発光効率を誇ります。また、近紫外光である380~400nmの励起光でも強発光します。
一般にイオン濃度を高くすると増幅強度は高くなるが、ある濃度以上にドープするとイオン同士の距離が近づき増幅強度が低くなる、いわゆる濃度消光と呼ばれる現象が起きますが、「ルミシス」はほとんどこうした影響を受けません。
本来の高い発光効率を維持します。
「ルミシス」は、太陽光下では白色粉末ですが、プラスチックなどの樹脂に分散させると無色透明になります。
このため、活用時の外形・カラーにおいて影響を与えることかありません。
「ルミシス」は、200°Cの高温条件下で1時間放置した後も強発光を維持するという特性を持っています。
そのため、樹脂の成形加工やさまざまなデバイス材料としても安心して利用できます。
「ルミシス」は、希土類イオンを発光中心の主原料にしているため、人体に対しても無害。活用分野の制限を受けません。
しかも、プラスチックなどへの溶解性が高いため、自由な成型が可能です。
商標 ルミシス「Lumisis」
- ①ルミシス E-300 Red
- ②ルミシス E-400 Red
- ③ルミシス R-600 Red
- ④ルミシス Y-700 Green
- ⑤ルミシス G-900 Green
- ⑥ルミシス G-3300 Green
- ⑦ルミシス B-800 Blue
ますます広まる活用分野
発振材料として活用できることはもちろんのこと、エポキシやウレタン、アクリルなどの樹脂をはじめ、紙やガラスなどに混入することによって、看板や美術品、玩具などにも活用できます。
- ・レーザー発振材料
- ・発光材料照明器具
- ・発光インク
- ・表示体